2,631語、読了時間14分。
時代と人間の魂の変化について
地球の進化においては多くのことが起きていて、人間、特に現代を生きる私たち人間には、今、自分が置かれている世界の進化について何が起きているかを真に理解する義務があるのです。
私たちは、個々の人間として一定の発達を遂げていきます。そしてその幼少期、中年期、老年期において異なる種類の力を持つのです。これと同じように、人類の一般的な進化も、様々な時代とその時期において異なる力を持つことになるのです。つまり私たち人類は、その時代によって本質的に異なる存在であるということに気づかなければならず、それに気づけない人は、いわば世界の進化の真っ只中で眠っているようなものなのです。
では、人間はどのようにして、これらの事柄についてのより正確な洞察に到達することができるのでしょうか?
それは紀元前八世紀から、西暦十五世紀までのギリシャ・ラテン時代の人間の進化は、いわゆる知性の魂、または悟性の魂の時代とみなす必要があるということなのです。そして十五世紀以降の人間は、つまり私たち現代の人間は、意識の魂の時代を生きているということです。
十五世紀から三千年期までの人類の発展における主要な力は、「意識の魂」であることが分かっています。これらのことは、一般論や抽象的な表現にとどまってはならず、より具体的な事実の把握に努めなければならないものです。
抽象化は、そこに好奇心がある場合にのみ役立つものです。しかし精神科学を実生活の内容、実際の生命力にするのであれば、好奇心よりも真剣さが求められるのです。
地上の人間を構成するもの
意識の魂の時代についての明確な見解を得るためには、まず、人間を本質的に構成するものについて正確に考察する必要があります。
人間の自我は、この地上での進化を導く「形態の霊」によって現在の地球期において与えられました。実際、私たちの意識に入るものは全て自我を通して入ってくるのです。
精神科学が示す人間の本質的な構成要素は、その上位の部分から、自我、アストラル体、エーテル体、肉体、に区分されます。そして人間性のこれらの要素のうち、私たちは当面、精神的にも霊的にも、自我、つまり私という意識の中でのみ生きているのです。
人間の自我が、たとえ肉体を介してであっても外界とのつながりを維持できるほどに展開していなければ、私たちは眠っている時と同じくらい意識が薄れてしまうのです。自我は、私たちを環境と結びつけています。
アストラル体は、現在の地球の進化に先立つ、過去の地球の惑星形態である月期の進化の過程で私たちに与えられました。
エーテル体は、さらにその前の地球の輪廻転生の姿である太陽期で与えられました。そして肉体は、地球のその始まりである土星期の進化の過程で与えられました。
オカルトの科学におけるこれらの人間の体の記述に目を通すと、私たち人間を今日のこの姿にするために、これらの四つの要素の調整がいかに複雑な方法で創造されたのかが分かります。
オカルトの科学で説明されているその事実から、私たちの肉体を包むこの人間の三つの鞘の形成には、つまり、エーテル体、アストラル体、自我の形成には、考えられる限りの全ての霊的階層の存在が関与したことを学び取ることができるのです。さらに、これらの霊的階層の存在は、私たちの乗り物としての肉体の生命の鞘を生み出すために協力しただけではなく、今もなお、その中で働いているのです。
この人間の肉体を包み込んでいる、目に見えない体であるその鞘の存在の真実に近づきその現実を観察すると、人間の体の中で無意識に起こる全てのことには、高次の霊的階層の存在が、あらかじめ決められた通りに懸命に協力していることが分かるのです。
人間の存在を真に理解するためには、これらのことをさらに具体的に、さらに詳細に検討する必要があるのです。
天使は人間の魂に絵を描いている
私たちに最も直接関係する最も近い未来の展望とは、私たちが明確な意見を形成できる展望なのです。そして、人類の進化における私たち自身の存在の位置が示すものに対して、ただ眠り続けたままでいたくなければ、私たちはこれらの展望をはっきりと見るべきなのです。
したがって、現代の私たち人類に本当に関係する展望についての質問を提示する必要があるのです。それは次のような質問です。
天使は、人間に最も近い霊的な存在は、この時代において、私たち人間のアストラル体の中で何をしているのでしょうか?
これは、私たち人間が自分自身の内なる存在を観察すれば、自分のアストラル体が自分の自我に最も近い位置にあることが分かるので、この質問に対する答えが、私たちにとって極めて重要であることが予感されるのです。
十五世紀に始まり三千年期へと続く二十世紀を通りすぎようとしている人類のこの時期において、天使は、人間のアストラル体で何をしているのでしょうか?
そして、このような疑問に答えるための方法について、何か言えることはあるのでしょうか?
このことを真剣に追及すれば、精神的な研究は概念や言葉の形式ではなく実際に精神世界が知覚できる領域にまで踏み込むことになる、としか言えないのです。そして私たちの身近にあるものは、それが何であっても確かに観察することができるのです。
さらに、この疑問に有益な答えが得られるのは、意識の魂の時代においてのみ可能なことなのです。かつての古い透視能力があった時代でも、ギリシャ・ラテン時代でも、この疑問に答えることはできませんでした。その時代、思考は現在ほど強力ではなかったのです。
思考は特に自然科学の時代を通して強化されました。したがって意識の魂の時代は、このような疑問を意識的かつ効果的に検討できる時代なのです。
天使が私たちのアストラル体で何をしているのかを確信するには、ある程度の透視能力を高めて、アストラル体で何が起こっているのかを見る必要があります。そして、定式化された質問に答えるためには、少なくともある程度の想像力を働かせて認識する必要があるのです。
すると、天使の階層に属するこれらの存在が、つまり個々の天使の存在が、一人の人間に対して責任を持ちながらも、全員が協力して、人間のアストラル体に絵を描くことが明らかになるのです。
彼らは「形態の霊」の導きに従って、つまりこの宇宙に形を与えた「形態の霊」の導きに従って絵を描きます。つまり、人間の魂の中にイメージを描くのです。