アトランティスの後期の先覚者にとっての理想的な人間の姿
アトランティス時代後期のイニシエート(先覚者)は、瞑想を通じて理想的な人間の姿、つまり思考イメージに集中しました。このイメージは、現在の人間とは完全に同じではなく、男女の組み合わせのようなもので、身体の低い部分は省略され、上半身だけがはっきりと認識できる、一種の二重の姿でした。この「感覚的・超感覚的」なイメージは非常に強力で、イニシエートたちは実際にその身体をこのイメージに似せていくことができました。これは、将来の人間のモデルとなることを意図していました。
地球の初期状態と人間の起源についての先覚者の理解
イニシエート(先覚者)は、理想的な人間の姿を瞑想する中で、地球がまだ太陽と月と分離していなかった太古の状態に自分自身を転送しました。彼らは、地球が「原始の原子」で構成されていたこの時期に、すでにその中に理想的な人間の姿、あるいは「人間の原子」が存在していたことを霊視的に認識しました。動物や植物、鉱物形態はまだ存在せず、地球は純粋に人間的な存在から始まったとされました。これは、神性が永遠から永遠へと働きかけ、この原始的な人間の姿を創造したことを示しています。
低位の王国(動物や植物など)が生まれた経緯
アトランティス時代のイニシエートは、周囲のあらゆるものを人間の姿から派生したものと見なしていました。彼らは動物や植物を「二次的な形態」と捉え、これらはより高次の存在であった人間の形態から後になって出現したと考えました。石炭の形成を例に挙げることで、この概念が説明されています。かつて繁栄した原始林が石炭になるように、植物もより高次の王国から低次の王国へと進化し、「石のように硬化した」と比喩されています。これは、高いものから低いものへの変化、あるいは「取り残された」という形で低位の王国が形成されたという思想を反映しています。
原始の言葉「ヴァーチ(Vāc)」の重要性について
原始の言葉「ヴァーチ(Vāc)」は、宇宙の創造の原始的な音であり、世界全体の進化を内包する存在として理解されていました。インドのイニシエートが上層デヴァチャン(神々の世界)に到達すると、彼らは「天球のハーモニー」と「天球の言葉」を通じて、原初の霊ブラフマが七つの惑星の連鎖を通じて進化の中でどのように分化したかを認識しました。このヴァーチは、サトゥルヌス(土星)時代に最初の息吹を響かせたとされ、ヴェーダ聖典の真の意味がこの原始の言葉に宿っているとされています。ヴァーチはまた、神聖なブラフマンが「カーマ」(愛の衣)をまとい、人類の進化、特に地球上での愛の発展を可能にした原動力であるとも説明されています。
地球の進化における愛(カーマ)の役割
地球の使命は「愛」を発展させることであるとされています。古代太陽の段階で「生命」が、古代月の段階で「知恵」が形成された後、愛は古代月にはまだ存在しませんでした。しかし、月では人間の原始的な姿がより精神的ではあるものの「冷たい」形で存在し、それが地球上で「暖かいアストラルな衣」をまといました。このアストラルな衣、あるいは「カーマ」は、人間が最低から最高の形まで愛を発展させるための力を内包しています。神聖な言葉、ブラフマンはカーマをまとい、このカーマを通して原始の言葉ヴァーチが響き渡るとされ、カーマは愛の衣、すなわち原始の言葉ヴァーチの衣であると説明されています。
聖なるリシ(Rishis)とその教えと役割
聖なるリシたちは、古代インド文化の創始者であり、マヌ(偉大な教師)の弟子でした。彼らは7人の偉大な教師として、それぞれの惑星の秘密と影響を理解するようにイニシエートされました。この 七人のリシからなる「七重のロッジ」は、太陽系の神秘に関する教えを弟子たちに伝える役割を担っていました。彼らの原始的な教えは、土星、太陽、月、地球、木星、金星、ヴルカン星といった惑星の状態を通じた人類の進化を網羅していました。弟子たちはデヴァチャン(高次の霊界)でこの教えを「天球のハーモニー」として聞き、最も高い世界では「言葉」として体験しました。
古代の教師と弟子の関係性が現代と異なる部分
古代では、教師が生徒に与える影響は現代とは大きく異なりました。単なる言葉や書物による伝達だけでなく、教師から生徒へと「神秘的な魔法の力」が作用しました。特に、教師の力は、生徒の心に呼び起こされる思考イメージを「明るさと生命力で満たす」ことができました。この特異な影響は、ギリシャ・ラテン文化の第四ポスト・アトランティス時代になって初めて失われたとされています。ソクラテスも弟子たちに教える際に、このようなテレパシー的な力を行使したとプラトンの記述から示唆されています。
古代エジプトの「神殿睡眠」の本質とその医療的な意味合い
古代エジプトのイニシエートや医師は、現代の医学とは異なる「医療」の概念を持っていました。彼らは、アトランティス時代に存在した、人間がぼんやりとした千里眼的な意識で神々と共に生きていた状態を、ある意味で再覚醒させることが可能だと知っていました。体内の機能不全はエーテル体やアストラル体の不調に起因すると考えられ、神殿睡眠では患者の意識を催眠的な睡眠状態にまで減衰させました。この状態の間に、医師は患者の周りに現れる魂のイメージを操り、これらのイメージが身体に作用して健康を取り戻すように導きました。薬を与える代わりに、患者を寺院で眠らせ、意識を抑制して霊的な世界を覗かせ、そのアストラル体験を導くことで治療を行う、これが神殿睡眠の真の意味でした。