エジプトの謎7:月の消滅までの人間器官における進化的出来事・高次の人間とオシリスとイシス。

エジプトの秘儀におけるイシスとオシリスの神話の役割

イシスとオシリスの神話は、エジプトの世界観において最も重要な絵であり、秘儀の核心をなすものでした。一般の人々は、この神話を象徴的な物語として学びましたが、秘儀の弟子たちは、千里眼を通してこの神話が示す出来事を「現実の出来事」として直接体験しました。この神話は、オシリスが人類に祝福をもたらし、その後テュポーンによって殺害され、バラバラにされた後、イシスによって集められ、最終的にホルスによって復讐されるという物語です。オシリスは死後、神聖な霊的存在の世界に迎えられ、死と新たな誕生の間の霊的世界に滞在する人々を助ける存在とされました。そのため、エジプトでは「死者の道はオシリスへの道」と呼ばれていました。この神話は、エジプトの宗教観に生命が残っていたころ迄は、すべてのカルトに浸透しており、単なる物語ではなく、人間の進化と霊的な真実を内包する深い意味を持つものとして理解されていました。

エジプトの秘儀の弟子たちが高次の知識を得た方法

エジプトの秘儀の弟子たちは、まず基礎的な神智学に似た明確な教育課程を通して準備されました。その後、彼らは実際の修行に進むことが許されました。この修行では、弟子たちは「エクスタシー」と呼ばれる一種の恍惚状態を経験しました。これはまだ真の千里眼ではありませんでしたが、単なる夢以上の深い体験でした。この状態において、彼らは後に絵の形で見るようになるものを予備的に体験しました。特に、月とオシリスの離脱、そしてオシリスが月から地球に働きかける様子を「強烈で生き生きとした夢」として見ていました。すべての弟子は、真の事実を認識するために、この「オシリス・イシスの夢」を体験する必要がありました。さらに高次のイニシエーションに達した弟子は、今日語られているような地球の進化に関する詳細な情報を「アカシックレコード」から読み取ることができました。彼らの千里眼の能力は非常に高く、過去の遠い時代を直接視覚的に遡ることが可能でした。

エジプトの秘儀における人類の初期の進化の段階

エジプトの秘儀では、地球の進化の始まりにおいて、地球全体が「人間の胚芽」からなる原始的な霧で構成されていたと教えられています。初期の人類は、杯を上向きに開いた植物のような「温熱体」として存在し、後に光を放つ球体へと進化しました。この時代、地球はまだ太陽と繋がっていました。その後、動物界の胚芽が出現し、最初は性別のない動物として、現在の動物界の最も低い段階に位置していました。太陽が地球から分離すると、地球は水の地球へと凝縮し、最高次の動物形態は今日の魚とは異なる「魚形」でした。この魚形の一部は人間の形態と結合し、太陽が魚座に位置する時期と関連付けられました。

月と地球の分離が人類の進化に与えた影響

月と地球は元々一つの惑星体を形成していました。太陽が地球から分離した後、ヤハウェは月の力と共に地球に留まり、オシリスはその神格の一員とされました。月が地球を離れるまでの間、地球は水の地であり、水中の生物形態は徐々に低い段階へと達しました。月が分離する時、人間の下位の性質は「巨大な両生類」の段階にあり、聖書で「蛇」、または「リンドワーム」「竜」と呼ばれる存在に相当しました。月が離れていく間に、動物界の要素がますます人間の下位形態に取り込まれました。月が完全に離れた時、人間の下半身は醜い動物のような形をしていましたが、上半身には太陽の力が外部から流れ込む「光の形」の残滓がありました。この光の形は、後に包括的な感覚器官へと変化し、危険を察知したり、熱や冷たさを感知したりする役割を果たしました。この器官は、今日では「松果体」と呼ばれるものへと萎縮しました。

人間の身体の部位の進化と黄道十二宮の星座との関連

エジプトの秘儀では、人間の下半身の特定の部位が、進化の段階と当時の支配的な星座にその名を与えたとされています。例えば:

  • :元々の「魚座」に関連しています。
  • ふくらはぎ/脛:人間が泳ぎながら方向転換するのを可能にした「水人(水瓶座)」と関連しています。
  • :「山羊座」と関連しています。
  • :「射手座」と関連しています。

人間は、水中に形成された島々を動き回れる動物として進化し、上半身はより精妙になり、頭頂部には「花のような形」が残っていました。頭上にランタンのように光る器官を携えていたとされています。黄道十二宮の古い絵では、射手座が下半身は動物、上半身は人間として描かれているように、これらの星座は当時の人間の進化段階を象徴していると理解されていました。

人間の性別と脊髄神経の形成における月と神々との関連

月が地球から分離した際に、人間の「セクシュアリティ」が出現しました。初期のケンタウロスのような姿の人間はまだ性別がなかったとされていますが、太陽が蠍座に位置したときに性別が現れました。そのため、性別は蠍座と関連付けられています。この時期、人間の上半身は宇宙の力に向けられていましたが、下半身は両性具有の存在でした。

その後、月の力によって、現在の脊柱の領域に「28本の神経線維」が出現する時代が始まりました。脳はかつての光の器官が変容したものであり、この脳から脊柱へと神経が伸びていました。エジプトの秘儀では、オシリス神が太陽から分離して月へと赴き、そこから太陽の光を反射することで、「28の月の相」を形成し、それが人間の「28対の神経」の基盤を築いたとされています。オシリスとイシスは、この神経系、ひいては脳と脊柱、そして筋肉、軟骨、心臓、肺などのすべての器官の形を形成する「創造者」であると見なされていました。脳が脊柱に触手を送るように、オシリスは脊柱に働きかけていたと説明されています。

エジプトのオシリス神とギリシャのアポロ神との関連

ギリシャの秘儀参入者たちがエジプトの秘儀を知った際、彼らはオシリスがギリシャの「アポロ神」と同一の存在であると認識しました。彼らは、エジプトのオシリスがアポロであり、オシリスと同様にアポロも人間の神経に働きかけ、人間の内側に「魂の生命」をもたらすと理解していました。この概念を説明するために、ギリシャ人は「アポロの竪琴」という象徴的なイメージを用いました。脳は竪琴であり、神経はアポロの手が奏でる弦と見なされました。アポロは「世界の竪琴」、すなわち宇宙が作り上げた壮大な芸術作品を奏で、人間の中に魂の生命を構成する音色を響かせるとされました。これは、エジプトの秘儀におけるオシリスの働きを、ギリシャの文化と言語に合わせて再解釈したものであり、根底にある真実は共通であると考えられていました。

古代エジプトの智慧と古代ギリシャの智慧と比較と評価

エジプトの秘儀参入者たちは、自身の智慧がギリシャのものよりもはるかに深いと考えていました。彼らは千里眼の才能を高度に発達させており、多くの弟子が遠い太古の時代を千里眼で振り返ることができました。あるエジプトの司祭がギリシャの賢人ソロンに語った言葉が、その優越性を象徴的に示しています。「ソロンよ、ソロンよ、あなたたちギリシャ人はいつまでも子供であり、あなたたちの中には老人は一人もいない。あなたたちは皆、精神的に若い。あなたたちの間には、古来の伝統から受け継がれた古い意見はなく、年月とともに古くなった学問もない。」この言葉は、エジプトの智慧が物質的な経験を超越した、無限に古い伝統と深い知識に基づいていることを強調しています。ギリシャでは、エレウシスの秘儀においてのみ同等の高みに達した人々がいましたが、それに参加できたのはごく少数に限られていました。つまり、エジプトの智慧は、ギリシャの智慧と比較して、より古く、より深く、より広範な霊的洞察に基づいていると見なされていました。