精神科学の究極の目的
精神科学の究極の目的は、私たちの中に存在する人間性のより高次の発展への道を開くことです。これは、個人の魂の奥深くにある最も重要な力の開花と、最高の理想の実現を目指す旅であり、自己を克服し超越することによって内なる感情を育むことを含みます。ゲーテの言葉「すべての存在を縛る力から、自らを克服する者は自らを解放する」が示唆するように、自己を超越した魂は、自己を超えた人類の最高の宝へと至る道を見出すことができます。
古代エジプトと現代文化との精神的なつながり
古代エジプトと現代文化の間には、深い精神的なつながりが存在します。その一つは、魂の輪廻転生という概念に基づいています。今日私たちの内に宿る魂は、古代エジプト時代にも存在し、巨大なピラミッドやスフィンクスを目にしていた魂と同一であると考えられます。魂が経験したことは、その後の転生において力、気質、能力として現れ、現代の私たちが世界を認識する方法や物質世界への関心は、古代エジプトでの経験によって形成されたとされます。具体的には、ラファエロのシスティーナの聖母の絵画とエジプトの女神イシスの子を抱く姿、そしてミイラ化の習慣がそのつながりの例として挙げられています。
聖母マリアとイシスの間の精神的な関連性
聖母マリアとイシスの間には、深い精神的な関連性があります。ラファエロのシスティーナの聖母の絵画に描かれた、雲の中に浮かぶ無数の天使の頭の中から自然に生まれたかのようなイエスの子の描写は、かつて性的な生殖とは異なる形態の生殖が存在した可能性を示唆しています。この絵は、人間的なものと精神的な力との深いつながりを表現しており、同じように崇高な光景が古代エジプトの女神イシスとホルスの子の姿にも見られます。イシスは「私はかつて、今、そして未来にある。まだ誰も私のベールを上げていない」という言葉と共に現れ、永遠を内包する存在として提示されます。聖母マリアはイシスの記憶であり、イシスは聖母マリアの中に再び現れる、つまり両者は精神的に深く結びついていると説明されています。
古代エジプトのミイラ化の習慣が現代の人間に与える影響
古代エジプトのミイラ化の習慣は、現代の私たちが物質世界を捉える方法に大きな影響を与えています。エジプト人は死者の肉体を長期間保存することで、魂が死後も物質界に縛られ、ミイラ化された肉体を目にすることができました。この経験は魂に深く刻み込まれ、後の転生において物質世界への愛着や関心という形で現れました。今日私たちが物質への執着と呼ぶものは、当時の魂が霊界を離れて自らの肉体を見ることができたという事実に由来し、ミイラ化がなければ私たちは物質世界への真の関心を失っていたかもしれない、とまで述べられています。この習慣は、人類がさらなる発展を遂げるために必要な段階であったとされています。
人類進化の歴史における、アトランティスの位置づけ
人類進化の歴史において、アトランティスは古代エジプトやそれ以前の文化に先行する重要な時代として位置づけられています。地球はしばしば変化を繰り返しており、現在のヨーロッパとアメリカ大陸の間の大西洋の海底がかつて陸地であった時代、すなわち古代アトランティスの時代があったとされています。当時の人間の肉体は異なっていましたが、現代の私たちの魂は古代アトランティス人の魂にも宿っていました。大洪水によってアトランティスが破壊された後、人々は西から東へと大移動し、ヨーロッパ、アジア、アフリカに居住しました。このアトランティス文明は、後の時代に続くインド文化、ペルシア文化、カルデア・エジプト文化などの基礎を築いた、人類の進化における重要な段階とみなされています。
人類の文明が現代に至るまでの文化期の変移
人類の文明は、アトランティス時代を経て、以下の主要な文化期を経て現代に至りました。
- 第一期(アトランティス以後初期): インド文化が興隆し、超地球的存在によって導かれ、聖なるリシたちによって築かれました。ヴェーダはこの太古の神聖な文化の残響です。
- 第二期: ツァラトゥストラの知恵が流れ出し、ペルシア文化が発展しました。
- 第三期: ナイル川流域に植民者が送り込まれ、カルデア、エジプト、アッシリア、バビロニアの文化が興隆し、特にカルデアの星の伝承とエジプト文化が頂点に達しました。
- 第四期: ギリシャ・ローマ文化がヨーロッパ南部で発展しました。ホメロスから始まり、ギリシャ彫刻や詩芸術が栄え、ローマもこの時代に属しました。
- 第五期(現代): 私たち自身が生きている現在の文化期です。
これらの期間は、それぞれが次の時代へと影響を与えながら、神秘的な法則に基づいて繰り返されています。
文化期の繰り返しの法則
文化期の繰り返しの法則とは、人類文明の各文化期が、未来の特定の文化期に新たな形で再出現するという神秘的なパターンです。具体的には、第一期の古代インド文化が第七期に、第二期のペルシア文化が第六期に再び姿を現すとされています。また、私たちが生きる第五期には、第三期のエジプト文化が一種の覚醒を遂げると述べられています。第四期は、その中間に位置し、独自のものであり、それ以前にも後にも類似するものはないとされています。この法則は、過去の経験が未来の文化形成に影響を与え、人類全体の進化において重要な役割を果たすことを示唆しています。
古代インドのカースト制度が未来の社会で再解釈される可能性
古代インドのカースト制度は、現代の私たちの意識にとっては奇妙に映るかもしれませんが、アトランティス以後初期の文化においては、指導者たちの権威のもとで魂の能力に応じて人々を区分することが自然なことでした。七人の聖なるリシたちは各人がどこに位置づけられるべきかを見抜くことができると考えられていたため、この分類は厳しさなしに受け入れられました。未来の第七期には、この第一期の区分とは異なり、権威ではなく客観的な視点に基づいて人々がグループ分けされると予測されています。人々は人類の救済が客観的な集団への分割にあることを理解し、労働の分担と権利の平等を組み合わせることで、人類社会は素晴らしい調和のとれた姿で現れるでしょう。これは、古代インドのカースト制度の根底にあった「適材適所」の思想が、より高い次元で再構築されることを示唆しています。