エジプトの謎11:人類の進化と霊的体験の繰返し・キリストの降臨が進化に与えた根本的な変革

アトランティス以降の文明進化論におけるエジプト・カルデア期と現代の間の関係

ルドルフ・シュタイナーは、アトランティス以降の文明の進化において、私たちの時代は、エジプト・カルデア期に人類が経験したことの「一種の繰り返し、復活」を経験していると述べています。シュタイナーは、インド期が未来の第7期に、ペルシャ期が未来の第6期に、エジプト期が現代に繰り返され、第4期であるギリシャ・ラテン期は独自に存在すると概略を述べています。これは、外的な経験と内的な経験の再来が、エジプト時代と現代の間に特定のつながりがあることを示唆しています。ギリシャ・ラテン期は、キリストが地上に現れ、ゴルゴタの秘蹟が起こった中間点として位置づけられています。

人間の魂の霊界での進化と霊界での経験が過去の時代と異なること

人間の魂は、死と新たな誕生の間の期間(カマロカとデヴァチャン)で歩みまたは変容を経験します。人間の魂がエジプト、ギリシャ、または現代の肉体の死からこれらの霊的な領域に入るとき、同じことを経験することはありません。それは人間が生きる物理的な世界だけが変化するのではなく、霊的な世界でも進歩的な変化が起こり、人間の魂は常に異なる経験をするようになるからです。この進化については、特にゴルゴタの秘蹟以降のキリストの出現によって、人間の魂が死後も進化できる可能性が強調されています。

古代エジプトのイニシエーションの核心とキリストの出現によるその変容

古代エジプトのイニシエーションとは、人間がその高次の体内に超感覚的な器官を発達させる能力を獲得することでした。これは、集中と瞑想の特定の練習を通じて達成され、それによってアストラル体が物理的な印象を保持し、エーテル体に刻印するようになることです。イニシエートは3日半の間、死のような状態に置かれ、エーテル体が物理体から解放され、アストラル体と結合し、霊的な世界の直接的な知識を得ることができるようになりました。しかしキリストの出現後、イニシエーションは根本的に変化しました。ゴルゴタの秘蹟は、古代の秘儀で起こっていた死の克服を、物理的な世界における歴史的な出来事として具現化しました。これは、物質的な世界で霊的な実りをもたらす新たな可能性を開きました。

古代エジプトのイニシエートが霊的な領域で目撃したもの

古代エジプトのイニシエートは、霊的な領域への旅の間に、神話的な内容の真の形を直接経験しました。彼らはオシリス、イシス、ホルス、そしてこれらの神々が、月が地球からの分離したことによってどのように形作られたかを見ました。彼らはまた、雄牛、ライオン、ワシ、真の人間という四つの人間のタイプを認識し、死と新たな誕生の間の人間の運命を目撃しました。スフィンクスはイニシエートにとって現実の形として現れ、人間が動物のような形をしていたときの姿を反映し、謎めいた質問を彼らに投げかけました。イニシエートは、知恵として動物の頭を持つ神々を、霊的な領域で実際に見たままに描いたのです。

人間の進化における「自我」の役割とそれが人間の性質に与えた影響

「我」(自我)は、地球の進化の初期に物理肉体、エーテル体、アストラル体を構成していた人間に、高次の存在によって組み込まれた第四の構成要素です。この「自我」はアストラル体を貫き、以前は高次の霊的存在が支配していた支配を自らが掌握するように主張します。しかし、この「自我」の組み込みに協力できなかった、遅れた神霊存在もいました。これらの存在は、アストラル体に本能、情熱、利己主義を吹き込み、アストラル体を本来の姿よりも低いものにしてしまいました。この影響は、アストラル体からエーテル体、そして物理的肉体に伝わり、判断力の曇り、過ちの可能性、そして病気の根本原因として現れることになりました。

病気と人間の進化との関連性と古代エジプトの医学的知識

病気は、人間のアストラル体に「自我」を注入する際に、遅れた神霊存在が与えた「自我」の過剰な影響と、それがエーテル体と物理体に及ぼす影響と霊的に関連しています。人間は、進化の過程で外部からの悪に反応する本能を失い、外部の力に対する感受性が低下しました。以前は、人間は本能的に有害な物質を拒否することができましたが、その後、外的な抵抗を補うために、例えば病気の際に金属や植物の汁のような外的な物質を注入する必要が生じました。古代エジプトのイニシエートは、人体の各器官が外界の物質とどのように対応しているかを正確に知っており、植物や金属を薬として利用する深い医学的知識を持っていました。

ダーウィニズムの出現と古代エジプトの知識との関連 性

シュタイナーは、ダーウィニズムの出現は、エジプト時代の人類の経験と霊的に関連していると述べています。現代に転生した同じ魂は、エジプトで人間の祖先の動物の形を絵として受け取りました。人間は物質的な世界に深く降下したため、「我々の祖先は動物の形をしていた」という記憶を保持していますが、これらの形が神々であったという霊的な側面は忘れてしまっています。この失われた記憶が、古代の神の形を唯物論的な形で見るダーウィニズムの心理的基盤を形成しており、第三の文化期(エジプト)と第五の文化期(現代)の間に密接な霊的つながりがあることを示唆しています。

ゴルゴタの秘蹟と死後の魂、特に古代エジプトの魂にとっての秘蹟の意味

ゴルゴタの秘蹟は、地上での物理的な生命だけでなく、死後の魂にとっても深く大きな意味がありました。キリストの血がゴルゴタで流れたとき、それは物理的な世界における死の克服を象徴し、霊的な世界では利己主義の過剰が取り除かれ、普遍的な人類愛が注入されるという出来事が起こりました。この出来事は、古代のイニシエーションにおける死のような状態の歴史的な具現化でした。キリストの精神は死者のもとに降臨し、彼らに霊的な世界における新たな贈り物の可能性を告げ、彼らを贖いました。これにより、人間が物理的な世界での経験を通じて霊的な世界に実りをもたらすことが可能になりました。キリスト衝動を内に受け入れることで、人間の死後の魂が、デヴァチャンで影のような暗い人生から再び明るくなる光がもたらされると述べられています。