5,013語、読了時間27分。
天使が人間の心に絵を描く第一の目的
想像力を認識する力を高めない限り、私たちはアストラル体の中でイメージが絶えず誘発されていることに気づかないのです。
これらのイメージは現れ、そして消えていきます。もし、そのイメージが、そのように創造されなかったとしたら、つまり、天使が人間のアストラル体にその絵を描かなかったとしたら、人類はその未来において「形態の霊」の意図を表現するような発展を遂げることはないでしょう。
「形態の霊」が、地球の進化の間、そして、地球の進化以降に、つまり、地球の次の輪廻転生の惑星期において、私たちと共に成し遂げようとしていることは、まずイメージでモデル化されなければならず、その後、そのイメージの客観的な現実が、変容した人類の中に現れるのです。
そして「形態の霊」は、今日、天使を通じて、すでにアストラル体にこれらのイメージを作り出しています。天使は、人間が思考を高めて、透視能力を身につけることで到達できる次元で、アストラル体にそのイメージを形作ります。
そして、これらのイメージを辿ることができれば、それらは明確な意志と原理に従って構築されており、その始まりの在り方の中に人類の将来の発展のための特定の力が存在していることが分かるのです。
これらの天使の働きを観察すれば、これは奇妙に聞こえるかもしれませんが、私たちはそれをこのように表現するしかないのですが、天使がその働きの中に、地球上の将来の社会状況に関して非常に明確な意図を持っていることに気がつくことでしょう。
天使は、人類の統一された将来の生活において、特定の決定された社会状況をもたらすようなイメージを、人間のアストラル体の中に植え付けることを目指しています。
多くの人々は、天使が自分たちの中に未来への理想を解き放っているという、その事実を認めることに抵抗するかもしれません。しかし、それでもそれは真実なのです。
そして、天使がその絵を描くことには基本原則があるのです。それは、将来、自分以外の誰かが不幸である時には、誰も自らの幸運を享受してそこに平穏を得ることはないという基本的な規則です。
そこには、最も完全な友愛、正しく理解された兄弟愛、そして物質生活における社会的条件との関係において、人類が最も完全に団結するという衝動が支配しています。これは天使が人間のアストラル体に絵を描く時の一つの観点なのです。
しかし、天使がこれらのイメージ、これらの像を形成することには第二の衝動があるのです。天使には、外面的な社会生活だけではなく、魂そのもの、そして人間の魂の生活に関しても特定の目的があるのです。
天使が人間の心に絵を描く第二、第三の目的
天使は、アストラル体に刻み込まれた像を通して、魂の生活に深い影響を与え、将来、全ての人が隣人の中に隠れた神聖を見るようになることを目指しています。
天使たちは、その働きを通してある変化をもたらそうとしているのです。このことをよく覚えておいてください。それは、理論的にも実際的にも、人間が肉体的な性質にのみ基づいて、高度に発達した動物であると見做すことがなくなるような変化なのです。
そして、その代わりに、全ての人間には根本的な神の源泉から始まり、肉と血を通して何かが現れてくる、そこに何かが出現するという十分に発達したこの認識を持って、全ての人々が互いに接することになるのです。
人間を霊界からの顕現、啓示としてできるだけ真剣に、できるだけ強く、できるだけ知的に考えること、これらの全てが天使たちの絵に描かれているのです。これが実現すれば非常に明確な結果がもたらされることでしょう。
人類に広がる自由な宗教的本能は全て、全ての人間に神のイメージが単なる理論ではなく、直接的な生活実践の中で認められるという事実に基づくことになるでしょう。
そうなれば、宗教的強制はなくなり、その必要もなくなるでしょう。なぜなら、その時は、人と人とのあらゆる出会いが当然の宗教行為、聖礼典となり、宗教生活を支えるために物質界に特定の教会組織を必要とする人は誰もいなくなるからです。すべての生命が超感覚的なものの表現にされること、人類の宗教生活に完全な自由を与えることが天使の働きの衝動の根底にあるのです。
さらに三つ目の意図もあります。それは、思考を通じて精神に到達し、思考を通じてその溝を飛び越え、そして直接的な精神体験に、霊的体験に到達する可能性を人類に与えることです。つまり、古い霊視能力からの脱却なのです。
精神のための精神科学、魂のための宗教の自由、肉体のための友愛、これらは人間のアストラル体における天使の働きを通じて、宇宙の音楽のように響き渡ります。
人間は、思考を通して、意識を別のレベルに高めるだけで、この天使の活動の素晴らしい工房に自分が移動したことを実感できるようになるのです。
本当に目覚めるということの意味
私たち現代人は、事実として意識の魂が発展する時代に生きており、この時代は、今述べたように天使がアストラル体の中で働いています。私たち人間は、徐々にこれらのことを意識的に理解するようになります。これは、人間の進化、人類の進化に属するものなのです。
では、この天使の活動はどこに見出されるのでしょうか?
それは、今日でも眠っている人の中に見られるのです。それは通常の睡眠状態にも見られます。そして、目覚めている睡眠状態にも見られるのです。
私したち人間は、目覚めているはずなのに、最も重要な事柄の最中に眠り込んでしまうことがあることを何度も指摘しました。そして意識的に人生を歩む人であれば、今日、そのように多くの眠っている人々を見出すことが出来るという確信を持っていることでしょう。
この眠っている人々は、世界で起こっていることに興味を持ったり、気にかけたり、関与したりすることなく、起こることをただ許しています。都会で起こっていることが、それらの眠っている人々の側を通り過ぎるように、大きな世界の出来事はしばしば人々の側を通り過ぎて行くのです。人々は明らかに目覚めているにも関わらず、そうなるのです。
しかし、そのような人々が目覚めていながらも何か重要なことに全く気付いていないとすれば、彼らが知りたいことや、知りたくないこととは全く関係なく、ここで伝えられた、天使のこの重要な仕事がどのように行われているのかを、この人々のアストラル体の中に見ることができるのです。
こうしたことは人類にとって非常に不可解であり、矛盾しているようにも思える方法で進行することが多くあります。
多くの人々は、霊界との様々なつながりの中に入ること、つまり、宇宙的真理を認識するための覚醒した意識には全く到達していないと見做されるかもしれません。しかし、そのような人々は、実際にはこの点において、自分の周囲で起こる全てのことを、ただ居眠りしながら過ごしていだけの恐ろしい眠たがり屋であるだけなのです。
そして、それでもその人々のアストラル体の中では、天使の一人が人類の未来のために働いています。その人々のアストラル体は利用されており、これらの全ては実際にアストラル体の中で観察することができるのです。
重要なのことは、このようなことが人間の意識の中に入り込まなければならないということなのです。つまり、それが意識されるために、私たち人間の意識の魂は、この方法でのみ見つけられるものを認識できるように高められなければならないということなのです。
天使が準備する人類の未来
これらの過程を受け入れた上で、今、ここで、十分な注意を喚起するとすれば、意識の魂を発展させるこの時代は、明確な出来事へと向かって前進しており、この時点で私たちがしなければならないことは、意識の魂におけることであるために、人類の進化においてこの出来事がどのように起こるかは、私たち人間次第であるということなのです。
人類の進化に関わる出来事は、百年早くなったり、百年遅くなったりします。しかし、その出来事は実際に人類の進化の領域に入る必要があるのです。
この出来事は、次のように説明することができます。人間は、純粋に意識の魂を通して、つまり自分自身の意識的な思考を通して、天使が人類の未来を準備する方法を実際に見なければならないのです。
この主題に関して、精神科学が伝えることは、人類の実践的で世俗的な知恵にならなければならないものです。それはここで示されたことを、天使が意図していることをしっかりと確信し、そして自分自身の知識によってこれを確信できるほど、これが実践的なものにならなければならないのです。
現在、私たち人類は自由へのアプローチにおいて非常に進歩しており、この出来事を完全に意識して直面するか、眠り込んで忘れてしまうかは、私たち人間自身にかかっているのです。
では、完全に意識して、それに直面するとはどういうことなのでしょうか?
それは次のことを意味しています。今日、精神科学を学ぶことは可能です。それはそこにあります。そして、それを学ぶことだけが必要なのです。
さらに、これに加えて、様々な瞑想や高次の世界とその達成についての知識が与えられているような、その実践的な指示が使用されれば、それも助けになることでしょう。しかし本当に必要なのは精神科学を学び、それを意識的に正しく理解することなのです。透視能力が発達していなくても自らが偏見という障害を設けない限り、誰もがそれを理解して学ぶことができるのです。
そして、人々がそれをさらに学びその概念や考えを吸収すれば、その人々の意識は目覚め、重要な出来事に対して眠り込むのではなく、それらのことに気付くようになるでしょう。
これらの出来事はもっと正確に特徴づけられるかもしれません。なぜなら、天使が何をしているかを知ることは、ある準備に過ぎないからです。
ここで中心となることは人類が天使の活動を通して受け取ることになる、三重の真理を認識することなのです。その真理は人間の受容力に応じてより早く、または遅れて到来し、そして最悪の場合は全く到来しないかもしれません。
これは、まず第一に、人間は最も直接的な関心事を通して、いかにして人間性のより深い側面を理解できるかが示されることになります。これは人々の意識が眠っている間に、人々が逃してはならない瞬間がやってくるということなのです。その時、人々は天使を通して霊界から刺激的な衝動を受け取り、今日、私たちが感じているよりもはるかに深い関心を全ての人々に対して抱くようになります。
私たちの同胞に対するこの高まる関心は、人間の通常の一般的なやり方で主観的に発展するのではなく、突然、飛躍的にある秘密をもって、つまり他の人々が本当はどのような存在であるのかという、精神的な注入を通して発展するのです。いま、ここで言っていことは、理論的な抽象表現ではなく具体的な何かであるのです。
人々は、お互いに対する継続的な関心を呼び起こす、その何かを学ぶことでしょう。これがこの三重の真実の第一の点であり、それは私たちの社会生活に深い影響を与えることでしょう。
予言の解釈1
天使が、私たち人間に与える三重の真理のうちの、第一の部分については、この時代が西暦2000年を超えて、次の3000年期に突入したその始まりで経験したこと、この地上世界と地球人類が一律的に経験したこと、つまり、「コロナ」において具体的に表現されていると思われるのです。
ここでは、地上で起こる現象について、その現実に限定されたあらゆる意味合いを超えて、その現象が真理の影として動いているということにのみ、その透視の視点を合わせるとすれば、そこから汲み取るべき天使の働きを、私たち人類は、完全に見落としてしまったと判断すべきなのです。
私たち人間にとって他者とは何であるのか? この他者という存在が自分の中に浸透する可能性があること、事実として私たち人間は呼吸を通して生命を共有していること、地球人類全体が一つの象徴的現象を通してこれを認識しこと、しかしこの生命の親和性がむしろ否定的に作用したこと、このことにおいて、私たち人類は、天使が示す重要な第一の真理を取り逃したのです。
この事実を、或いは、この仮定された事実を、私たちはまず理解しなければならないでしょう。